どうもこんにちは、ローエンドマンです。
「口は災いの元」
口は災いの元
不用意な発言は身を滅ぼす要因となることもあり、言葉が自らに災難をもたらすことも多い。 うかつに言葉を発するべきではないという戒め。 『古今事文類集・後集』に「口は是れ禍の門、舌は是れ身を斬るの刀なり(うかつなことを言うと禍が起きる、舌は槍よりも多く身を傷つける)」とあるのに基づく。 「口は禍の元」とも書く。
『事文類集』より
結構耳にするこの言葉。
皆さんも「あの時は余計な事を言ってしまった。。」とか「相手の気持ちを全く考えないで口走ってしまった。。」とか、自分の発言で失敗した経験があるのではないでしょうか?
僕も例に漏れず、失言のアベレージヒッター。通算打率.322。
振り返ると失言の嵐。21年間コツコツと余計な事を、心無い事を言ってきました。
もしかしたら、生まれて一番最初に発した言葉すらも失言だったかもしれません。
最初の言葉とか覚えてないな。。「Resurrection」とかだといいな。。
まぁとにかく、
あの時ああ言えばもっと、今より幸せだったのでしょうか?
「Resurrection!!」
そんな「Mr.失言」の僕ですが、半年ほど前、失言の特大ホームランを打ってしまったので、そのことについて話そうと思います。
「かんぱーい!!」
2019年、6月中旬。
6つ上のサークルOBさんが開催してくれた飲み会。
少人数ながら楽しい飲みで、毎年同じメンバー。
最後は絶対笑顔で帰れるといった、良き飲み会なのでした。
皆の終電が近づいてくると、パーティはお開き。
最後に飲んだクエン酸サワーがちょっと濃いめで、酔いレベル2の僕(MAXは5)。
ちなみにアルコールが入ると僕の失言率は上昇します。
ドーピングを使っているので失言率は驚異の.473。失言界を代表するバッター。2016年の失言王のタイトルは僕が受賞していました。
逆方面のOBさんに別れを告げて、同方向の2人と共にホームへ。
そして運命の終電に乗り込むのでした。
ガタンゴトン、、ガッタンゴトン、、、、、、、
KJ先輩「んじゃ、さよなら。。」
乗り換え駅でもうひとりの先輩が降りて、残ったのは僕と同世代の友人ことBYくんの2人。
時間帯もあってか車内の人はまばら。6月の風を切る電車の走行音だけが響きます。
6月当時、就活生であった2人の話題は自然と「就活」に。
BY「わい、鉄道会社受けてんねん」
僕「電車好きだったけど職に選ぶほどだったのか。。ちなみに面接とはどんな感じなの?」
「エントリーシートの結果帰ってくるまで何もしない!」とか滅茶苦茶な理由をつけ、全然就活をしていなかった僕。
6月中旬であったにも関わらず、説明会にも行かず、3月の卒業式でスーツを着て以降、一度もスーツを着ていないという激ヤバな人でした。よく内定出たな。。
右も左も、上も下も、西も東も分かっていなかった僕は、就活のあれこれを色々教えてもらいます。
就活の話題が終わるとBYくんが志望していた鉄道業界の話、電車の話。
そして運命の、次の停車駅である「ハニープラント駅」の話題へと移行していきました。
僕「次に停まる「ハニープラント駅」って本当になんにも無くない?」
BY「それな」
僕が使う路線の停車駅の中でも、特に町の光が少ないのがこのハニープラント駅でした。
駅の周りには複数の住宅地があり、家も多く建ち並んでいるのですが、夜になっても灯火せずに真っ暗な家が多い。というのが当時の僕の印象。
夜にこの駅に停車すると、その町の暗さや静けさが目立ちました。
大きな走行音の後、ドアが開き車内に流れ込む町の無音。
音のコントラストから、低い飛行音が響く宇宙船内部から無音の宇宙空間へ切り替わる、SF映画のワンシーンみたいな、そんなことを連想するような駅だったのです。
それを思い出した僕は会話の流れの中でこのハニープラント駅を出したのでした。
僕「家はたくさんあるのに、光がないのが不思議なんだよね〜。家の数と人の気配の無さのバランスが奇妙な感じ。。ドアが開いた向こうは、そこにはもしかしたら、音も空気も、光も、重力も、時間も、何も無いのかもしれないね。ただの無がそこにはあるのかもしれない。」
アホ面でバカなことを言いました。破茶滅茶にしょうもない事をつらつらと。
言論の自由があるとしても、こんな軽薄なボケ発言を公共の場でしてよいのでしょうか?
もちろん駄目でした。
この短絡的なゴミカス発言は、僕の左隣に座っていたBYくんを越えて、さらに奥まで届いていたのでした。
おじさん「俺さぁ、ハニープラントに住んでんだよね」
僕「?」
聞き馴染みの無い声が耳に届きました。あれっ誰だろう?
目線をやるとBYくんの更に左奥に座っていた、ロバート・カーライル似のおじさんが、こちらを向いてニコニコしていました。
おじさん「俺さぁ、ハニープラントに住んでんだよね」
40代半ばと思われるビジュアル。
ちょうどこの写真のロバート・カーライルのような髪型、表情で僕に話しかけてきたのでした。
僕「(これはどっちなんだ!?!?)」
コミュニケーションを振られた以上、何かしらの返答をしなければ不自然。
僕の頭の中によぎる数々の返答例。
さっきの自分の発言を振り返ると、それはもうかなり失礼なもの。
住民として腹を立てているのかもしれないし、謝ったほうがいいかも・・・。
でもこんなニコニコしてるんだから、そうじゃないのかもしれない。。
ポジティブな会話の乗り方をしてきたのかもしれないし、ハニープラントの話とか色々聞けるかもしれない!
「謝る」と「話を振る」の対象的な2つのパターンが瞬時に浮かんだ僕。
ニコニコしてる人に急に謝ったら変な雰囲気になっちゃうかも。。
酔っ払っていたスーパーアホすぎボーイの僕は、リスキーであった「話を振る」を選択。
めっちゃバカな僕「きっとこんなに笑顔の人なら面白いことを教えてくれるに違いない!!」
方向を決めた僕は沈黙という間を恐れて、瞬時にこの日一番の失言ををしてしまいました。
僕「あっ!そうなんですねぇ〜!!。。。えーっと、、、人口は何人くらいなんですかぁ!?!?」
間を誤魔化そうとして出た質問。単純な疑問であったため瞬時に出てきたこの言葉。
エゲツない程の煽り文句になっていることに、僕は口にしてから気づきました。
するとおじさんはニコニコした表情のまま、静かなトーンで
おじさん「お前って、本当に失礼なやつだなぁ」
ドッカーン!
おじさん「おい」
僕「(やっちまった!!!!!!)」
おじさんの笑顔をよく見てみると、目は全く笑っていない!!
笑いながら静かなトーンで怒る人だった!!しまったぁ!!!!!!
完全なるミステイクン!!確かにこんな失礼なやつはいない!!!
悪いのは完全に自分。本当にしょうもない奴だと一瞬で後悔していました。。
ローエンドマン、完全にアウト!!!!
酔っ払った頭に鞭を打って何とか一言でこの場を抑えようと努力します。
僕「たっ確かに失礼ですね。。申し訳ございません。。。車内に住人がいるかもしれないのに、その土地の事を変に言うなんてメチャクチャ軽薄だし、常識のないクソ野郎だと思います。。気分を害してしまって、本当に失礼しました!すんませんでした!!」
メチャクチャな謝罪でしたが、回らなくなっていたろれつをどうにか回して言いました。
しかし、こんなしょうもない奴の謝罪など通用しません。
逃げ腰でコミュニケーションの閉店シャッターを閉めようとした僕ですが、シャッターは閉まりきりませんでした。
おじさん「どうせお前らなんか、親がいいとこに住んでるだけなんだろぉ」
僕「いやぁ〜僕が住んでるの、栃木の田舎ですよぉ〜」
おじさん「あぁん!?」
僕「(また、やっちまった!!)」
こんな感じの押し問答が数分続きました。
BYくんがおじさんをなだめようとトライしたものの、ローエンドマンという人間が心底気に入らないおじさんはどんどんヒートアップ!!こんな人間でごめんよ!!!
車内アナウンス「次は〜ハニープラント〜、ハニープラントで〜す」
立ち上がるおじさん、そしてドアとは反対側である僕の方へ向かってきました。
僕「(おぉ!!)」
高鳴る心臓。胸がドキドキ。
僕「(こっ、これは激アツ展開!!!胸ぐらとか掴まれるかな!?殴られたりして警察沙汰とかになったら色々面倒くさいんだろうなー嫌だなー。。お家帰りたかったなぁ〜。。)」
これから非日常なことが起こるかもしれないという、ちょっとしたワクワク、ドキドキがありました。
ローエンドマンどうなっちゃうんだ!?1時間後にはどこにいるんだ!?
う〜ん!ドキがムネムネ〜!!
そんなしょうもない事をこの一瞬で走馬灯のように思っていました。
僕の前で、少し前のめりになるおじさん。
おじさん「おい、お前どこ住んでんだよ?」
僕「(凄い!本当に住んでる場所とかって聞かれるんだ!!)」
僕「栃木の田舎ですよ!」
おじさん「どこの駅だよ?」
僕「(ぷっプライバシー!!!)」
地元駅でおじさんが待ち構えていて「よぉ!久しぶりじゃ〜ん!」とか言ってくる絵柄を想像したら結構嫌だったので、流石にこれには答えないことに。
僕「ご想像におまかせします!!」
おじさん「だからぁ、どの駅だよ?」
僕「いっ、言いたくないですぅ!!」
おじさん「お前何笑ってんだよ?」
僕「僕、緊張状態になると顔が強ばって口角が上がっちゃうんです。よく怒られてる時に「何ヘラヘラしてんだよ」とか言われてました。全然ふざけてるとかじゃないですよ!」
おじさん「はぁ?」
そんなやりとりをしていると、電車のスピードがどんどんと緩くなってきました。
キュウウゥゥゥッ。。。キイィィィッ。。。
車内アナウンス「ハニープラントです。ドアが開きます。」
プシューゥゥーッ ガッ!
ドアが開くとやはりそこは宇宙。その独特の雰囲気を思い出す僕。
こんなこと思っても言わないのがよかった。
ゆっくりとドアへ向かうおじさん。
一件落着かと深く呼吸をしようとしたところで、おじさんが反転!こちらを向きます!
僕「(終わってなかった!?)」
真っ暗なホームに降りたおじさん。
すると右半身を車内に戻して、手でガッツリとドアの収入口をホールド
僕「(プロフェッショナル!?)」
おじさん「おい、お前降りろよ」
僕「(おおぉぉぉぉ!!!!!)」
「お前降りろよ」
人生で初めて言われた一言に、本当に感激。
凄い!生きてればこんなこともあるんだ!!こんなの初めてだ!!
21年生きてきて初めてのセリフ!この非日常感!!世界って素晴らしい!!!
こんなシチュエーションにビビりながらも、滅茶苦茶テンションが上ってしまい勝手にじんわりしていました。
おじさん「おいメガネ、お前だよ。降りろよ。」
僕「(メガネって呼ばれるのも初めてかも!!うぉぉぉ凄い!!!)」
しかしおじさんが手招きする先は、途方も無い闇。
音も空気も、光も、重力も、時間も、何も無いのかもしれない。
そんな、僕が勝手に「宇宙」と形容していた場所へ連れてこうとします。
「降りたらどんな事が起こるんだろう!?」というドキドキワクワクの好奇心。
ドアを越えれば非日常が始まる。
心身共になまりきった僕はここで降りて、おじさんにケジメの正拳突きでもくらうべきなんじゃないか?
でも痛いのやだなぁ。メガネとか壊されても弁償してもらえないんだろうなぁ。。
そして、なんたってこれは終電。正拳突きにされた後はどこに行けばいいんだ。
おじさんが家に泊めてくれたりしてくれるのかな。そんなアフターケアもないよな。。夜は寒くて長いぞ。。。
おじさん「ほら、早く降りろよ」
僕「これ終電で逃すと帰れなくなっちゃうんで嫌です!」
おじさん「知ってるよ、降りろよ」
僕「えーっ。。帰りたいですぅ。。。」
語尾がタラちゃんになっていると、異変を察した車掌さんが駆けつけてきました。
タッタッタッ
車掌さん「どうされましたか〜!?」
おじさん「彼が降りるのを待ってるんです」
僕「僕は降りないですよ〜!」
車掌さん「あーっ。。この状況だと電車を発進出来ないので、とりあえずドアから離れていただけますか?」
おじさん「はぁ」
そんな感じで車掌さんが走って運転席へ戻ります。
おじさん「ほら、降りろよ」
僕「嫌ですぅ。。もう何度も言ってるじゃないですか!」
おじさん「ちっ、お前あれだな、へなちょこだな。」
吐き捨てるように言うおじさん。
この一言がローエンドマンの心に火を点けました!!
僕「はぁ?」
いくら語尾がタラちゃんになっているとはいえ、21年間を生き抜いてきた漢だぞ!
ねるねるねるねは年1のペースで買っちゃうけど、アンパンマングミはもう10年くらい買ってないんだぞ!!
ふざけるな!!!!最近は頑張ればブラックコーヒーだって飲めるんだ!!!!
そして僕は言ってやりましたよ!!
僕「そりゃ僕はへなちょこに決まってるじゃないですかぁ〜!」
この日一番の大声を出す僕。
左隣のBYくんは軽く吹き出していました。
21年も生きてれば自分がへなちょこな事くらい分かってます。
多分おじさんが思っているよりもずっとへなちょこなはずです。見くびりが足りない。。
全然足りないディス。もっと心に刺さるディスがほしいところ。
そんな1+2=3みたいな至極当然の事を得意げに言われて少しムカついてしまったのでした。
おじさん「はぁ?」
さっきとはまた別の変な雰囲気になる車内。
車内アナウンス「ドアが閉まります」
おじさん「おい、お前、また会うからな」
これもまた初めて言われた一言。人生めちゃくちゃ楽しいじゃん。。
僕「またお会いしましょう」
ビビりながらもこの楽しすぎる非日常を噛み締めながら言う僕。そして頭を下げます。
プシューッ ガチャン!
するとドアが閉まりました。
ガタンゴトン ガタンゴトン
小さくなってゆくおじさん。ようやく日常に戻った僕。
また会う約束しちゃった。。どうしよう。。。(///ω///)
その後はBYくんと一緒に同じ車両にいた人たちに「お騒がせしてしまいすいません!」と謝罪しました。
何だかんだで数分遅延してしまったので、本当に申し訳なかったです。。。
僕「こんなこともあるんだね。人生面白すぎ。」
BY「ああいうときは黙って別の車両へ行くのがいいんだぞ」
僕「そうだったのね。。」
ガタンゴトン ガタンゴトン
こうしてこの一件は落着したのでした。。。
振り返ってみると100:0で完全に自分が悪いし、適当な軽口を垂れ流してるとこういう事が起きちゃうんだなと思いました。
しょうもない事を言ってしまう心根をどうにかしたい。
なんだかんだ言って、当時はアルコールも入っていて「こんな非日常があるんだ!楽しい!!」なんて思っていましたが、ちゃんと振り返ると普通に怖かったです。。
でも結構しびれるセリフを頂けたので、何だかんだ言って良い出来事であったと思います!
今回の出来事を一言でいうと「軽口はいつかお前を終焉へ引きずり込むだろう」ということですね。。そんな言葉無いけど。。
まぁとにかく、そんな事があったなぁ〜と思い出す機会があったので、こうやって日記に残してみました!あほちゃん。。
みなさんも公共空間での軽口は命取りになるかもしれないので気をつけましょう!!
では、!
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